徳島で「おじさんが藍の葉っぱかき混ぜるやつ」と言うと、
染織に興味がない人でも、だいたい同じ映像が浮かぶと思う。
緑一面の藍畑や藍の葉っぱかき混ぜるやつ=すくも作りは、
春の大渦や夏の阿波踊りと同じくここの風物詩で、時期が来るとテレビや新聞で見かける。
2017年4月開講の和紙会館の染め織り教室は
(つまり今になって1年前のことを思い出している)
藍を種から育てて葉っぱを収穫する、「染める前」のプロセスを盛り込んだ。
振り返るとよい思い出で、撮りためた写真をここに公開したい。
4月20日 苗植え
※種は3月上旬(ツバメが帰って来る頃とも)に蒔き、このころまでに15〜20cmに育っている
5月6日 乾ききった畑、アクシデントは早々に訪れる
そう言えば藍は植物、植物の栄養は水
藍は高価な肥料を好むと聞いていたが、それよりもまず水だろう
ここには水がない
5月8日 水確保
藍農家さんが見るとギョッとするかもしれないが、それもよし
今ある知識を集約したベストな選択=散水機
水を得た藍
ここからびっくりするほどすくすく育つ
5月18日
5月28日
よく見る葉っぱらしくなる
6月3日 一番刈り
ここでも戸惑う
確かによく育っている、しかしこれをすべて刈ってどこに保管するのか
(1年経って思うが、この疑問、気づきを持てたのはとても良いことだった
こういう「ちょっと困ったこと」が新しい技術を産んだりする・・はず)
とは言え、大昔から人々は「収穫」にこそ価値を求めてきた
世界中の新嘗の祭り然り、収穫してなんぼ
本を読むと、収穫は6月下旬とか梅雨明けごろと書いているが、早稲の藍だと割りきろう
欲を満たすべく3分の1刈ってみる
根元から少し離れたところを刈る
順調にいけば二番刈り、三番刈りぐらいまで可
6月15日 一番刈り(3分の2)
置き場がないという単純な動機で3回に分けた一番刈り
真ん中のはげがこの日刈ったところ
6月3日に刈ったところ(手前)も二番刈りに向け伸びる
アワガミ版 藍作始終略書 その2 へ続く